僕だって立派なミュージシャン、うつくしいサウンドに陶酔!!
                                                      5th Avenue にて
 
1999年9月30日(木)
 

< わたしとカメラ・2 > 

カメラを持って、マンハッタンへ出ると、大体時間の許す限り歩く。
「何か目的があって撮影する」訳ではなく、「なんか写すもんないかな〜〜」と言う世界。
実際、何でも珍しい内は、面白くてしょうがなかった。

マンハッタンは、とても分り易い。
ダウンタウンの一部以外は、道が南北と東西に碁盤の目のようになっているからだ。
しかもブロックごとに必ず、標識がある。
その標識で、南北に走るAbenue(アベニュー)と、東西に走るStreet(ストリート)を見れば自分の居場所がすぐ分る。

大変な方向音痴のわたしでも、迷わずに安心してウロウロ出来る。
オフィス街の、パークアベニュー
画廊の多い、マジソン街
ブランド店の並ぶ、五番街
新しいビルの並ぶ、六番街、
宝石店ばかり並ぶ一角、骨とう品店ばかり続く一角などなど、地域によってかなり特徴がある。

ブロードウエイも62〜69丁目あたりを歩いていると、そこここの窓から、うつくしいソプラノや、楽器の音色が流れて来る。近くにあるジュリアード音楽院の学生達が、家で懸命に練習しているのだ。
 

足が疲れたら、セントラルパ−クに入って土の上を歩く。
ここにも被写体はいっぱい!
日溜まりにじーーっとベンチに腰かけている老人達。殆どハダカに近い姿で芝生に寝そべって日光浴をする人達。季節ごとにきれいな花も咲いている。
犬を連れている人も多い。歩いても歩いても緑が多いからとても気分が休まる。

時々は、子供を遊ばせている若いママさんとおしゃべりをして、可愛い子供を撮影したりする。子供を写したくてもいきなりカメラを向けると警戒されるので、まず少々のコミニケ−ションが要るのだ。
しかしこれが案外面倒だ。
写しては見ても、「肖像権」というものもあるので、「もしかして仕事でこの写真を使うことがあるかも知れないけれど良いですか?」とかの了解も得なければならない。
「可愛い子」ばかり追っていると、他の母子に悪い気がして、「フツウの子」にもカメラを向けなければならないし…
子供は誰だって可愛いのだけど、やはり被写体となると、「絵になる子」って居るじゃありませんか…
 

お腹がすいたら、ピザハウスなんぞがお手軽。一人でピザをほうばっていると、同じ様にひとりで食べてるおばさんが話し掛けて来る。大抵いつも"Are you a Chinsese?"(中国人?)から始まる。
そして、「オ−ッ、日本人だったの!… 知ってる、知ってる、日本人は仕事だけが大事で、あまり夫婦で行動しないんだよね… 」 と変に納得したものの言い方をされてしまう。そして次の言葉は又大抵決まっている。

「だから勤勉な日本人の作る製品は皆良いね。私は車はTOYOTAを持ってるし(何台かの内の一台なんだけど)、カメラはナイコン(NIKON)を使ってるよ。日本製は故障しないから本当にスバラシイ!」と。

貿易摩擦や何やら言っても、アメリカ国民のひとり一人は、公平な眼で商品を撰び、日本製品の良さをしっかり認めて使ってくれているのだ。 

                     
                        
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