JTU運営規則<改定案と補足説明>
第21章 報道・広報
第86条(概要)
- 大会を報道する意義は、トライアスロン競技への理解を深め、底辺の普及を図ること、大会開催による一般への影響を最小限にとどめることである。
- 大会の開催前および競技中に詳細な報道を行い、地域住民の理解と協力を得ることは有効である。一般交通への影響を最小限にとどめるための必須事項である。
- 大会の競技結果の迅速で詳細な報道は、メディアによるトライアスロン競技の広報につながり、普及への重要な手段となる。
補足説明
- 報道機関を総称して「メディア」と称する。
- スポーツの醍醐味を伝えるメディアは、公正な競技運営と相反する要素を持つ。迫力ある映像のために接近すれば、危険が伴い不正なアドバンテージを与えることがある。しかし、離れすぎてしまえば、貧弱な映像しか残せない。
- 審判員は、この狭間で、いかにメディアを競技者に最接近させながら、公正と安全を保てるかを考える。事前の打合せと計画が成功への鍵となる。
事例1
- スイムスタート地点から10m以上も、取材エリアが離れていたため、メディア関係者から接近撮影の要望があった。審判団は、不慮の問題を避けるため、これを要望していたものである。
これを受け、技術代表は、審判長そして実行委員長と協議し、コーンとバーで特別エリアを設け対処した。その結果、報道写真は、スタート前の緊張あふれる選手の表情がよく捉えられていた。
第87条(計画と実施)
- 大会期間をとおし、報道関係者の取材を綿密で容易にするために、大会主催者は次のことを計画し実施する。
- メディア本部設置(大会本部ホテル内および大会主会場付近)
電話・コンピューター回線設備、ファックス、高速コピー機器、飲食コーナー、他
- メディアスタッフ(大会全般を把握していること)
- 大会詳細資料(大会概要、全コース図、大会日程、大会取材行程、競技者名簿、著名選手紹介、他)を事前に配付する。
- メディア告知用ボード(大型)
- メディア用コース視察バス
- メディアスタッフ移動用車両
- カメラマン用自動2輪車(所轄競技団体の許可により用意)
- メディア関係者会議
- 選手インタービュー
- メディア登録:報道関係者の事前登録を義務付ける。登録では、「報道機関名、取材者名、カメラマン名称、取材内容、取材方法、報道媒体そして特別要望事項」などを確認する。また、プレスカードや身分証明などにより本人確認を行う。
さらに、前日の宿泊先を確認し、大会内容に変更あるときの連絡を確実におこなえるよう配慮する。
また、IDカード(メディアパス)の発行は、あらかじめ指名された責任者の承認を得ることを基本とする。
(以下、削除)..事前に登録を求め取材意図と報道予定を確認し、それぞれが必要とする便宜供与を図る。
- 競技記録は、正確であること。同時に、「競技経緯・競技写真・選手コメント」などを、報道に欠かせない事項として認識する。また、これらを迅速に送付する方法にも配慮が必要である。
補足説明
- 「スポーツとメディア」は、国際スポーツにおいて必須の関係として多くの課題をもたらしている。「正しい報道」をお願いする主催者側は、最大の配慮を行う。そのために、これら正式なメディアの取材機会を補足し、登録を受けられなかった趣味レベルのカメラマンなどは、一般観客席からの取材をお願いすることになる。
- また、正規に登録されたメディア関係者は、国際的にも「報道そして取材の権利」が認められた者である。
事例1
- 事前の受付でメディアとして登録した人が、選手のスポンサー関係者であった。広報誌への取材ということであったが、最接近できる現場で所属選手へさかんに声援を送っていた。
このようなとき、審判員の注意を受けるかもしれないが、メディアとして登録した以上、慎まなければいけないことである。
事例2
- 地元報道として登録していたが、女性にばかりフォーカスしている。選手やコーチからクレームがあった。IDカードを確認すると昨年のものであった。
トライアスロンをスポーツ以外の目的で報道することを完全に規制することはできない。ここでも、事前登録そしてその報道内容を確認することの重要性が分かる。
第88条(取材規制と協力)
- 報道関係者はメディア登録を済ませた後、主催者が発行するIDカードを指定箇所に表示する。大会指定のメディアベストが提供された場合は、これを着用する
また、トランジションエリアなど厳重な規制箇所での取材は規制する。
- テレビ局による大がかりな撮影取材は、別途詳細な打合せにより、規則の範囲内で十分な取材が可能となるよう配慮する。また、報道関係者に対しその報道規模・内容により優先的な措置を取ることがある。
- 競技コース上の車両取材は、第18章に従う。
(JTUテクニカルガイドライン第6章を参照)
補足説明
- メディアの取材機会を最大限とし、一般観客との区分を明確にするために、大会の現場ではできるだけ目立つ「大会指定ベスト」の着用を願う。
- テレビ局の取材がある場合は、別途、詳細な報道計画を提出願い、技術・審判関係者とも調整し準備を進める。
事例
- スタートエリアに入り込んだカメラマンの望遠レンズが、選手の額に当たってケガをさせた。軽傷であり、スタートすることはできたが、メディアの不注意によりレースに著しい影響を及ぼす可能性が常にある。

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