AZR22 気象の理論  温度
    前頁 次頁 目次  PageLink Last Updated:1998-3/12
気温は、大気塊が[熱源として存在]していることを示します。
      即ち、寒気、暖気と言う「熱源」の存在を示します。
「温度」は、即ち、大気のもつエネルギーを表します。
「温度」は、P=ρRTにより、気圧を陰で操る存在となっています。
「温度」は、高い気温の大気と低い気温の大気が存在するとき、密度バランスのため、
      相対的に重いほうが軽い方の大気の下へ移動しようとする熱源となります。
「温度」は、こうすることにより、大気自身の「温度」をバランスしようとします。
      たとえば、
         地球規模的には、大気の大循環(ハドレー、フェレル等)
         総観規模的には、夏冬の季節風、
         ローカル的には、海陸風
    などが、太陽熱をきっかけとして、生じます。  
    これによりそれぞれの系〈規模)における「温度」(エネルギー・バランス)がはかられます。
「温度」は、温度傾度が有る場合、気圧傾度に引き直して表現出来、
    また地上での寒暖を直接表すとともに、天気予想のための重要な気象要素となります。
    
ちなみに、任意の気温を与えたとき、その時の気圧を計算して見ます。 大気密度を 1.2 kg/m3とします。 P=1.2[Kg/m3]x287[J/K・Kg]x(273+15)[K]  =100000        ??kg/m・s2   =100hPa J=Kgm2/s2 P.72 単位・次元を参照して下さい。
温度発生の理論的根拠 :
   「温度」は大気自身の保有するエネルギーの一部を表しますが、
    太陽熱(あるいは地表面,海水面)から与えられる場合、
        含まれている水蒸気の凝結の潜熱放出による加熱、
        大気が上昇下降により、気圧の変化にともなって変わる場合、とがあります。 

プリミティブ方程式(P.66参照)における「温度」の関与についての考察:
    1.運動方程式は、温度とは直接関係なさそうです。
    2.気体の状態方程式は、気温を気圧と関係付けています。
        常にこの式が成立しています。 
    3.質量保存則は、大気が連続流体であることを示しますが
      この法則が大気の温度を決める主役となるものではありません。
    4.熱力学の第一法則は、外部仕事と内部エネルギーの関係を表すもので、
      温度と密接な関係があります。
    5.水蒸気量保存則は、これは温度とは直接関係ないようです。

その他の法則等との関連:
    エネルギー保存則−−−>高度を仲立ちとして温度と関係します。
    ベルヌーイの定理−−−>流体のためのエネルギー保存則です。風速、高度、気圧と関係します。
              高度を仲立ちとして温度と関係します。 
    渦位保存則−−−−−−>温度とは関係なさそうです。
    角運動量保存則−−−−>温度とは関係ささそうです。