予報則 天気図
予 報 則    

     文献から紹介します。 Last updated:1998-1/1,2000-1/25, 2003-9/09

Return to Top Page  LINK集 天気図解析 予報則 手計算のための数式 物理過程 誤差・近似  


    1. 「気象ポケットブック」(正野重方等編)からの「予報則」の抜粋です。      2. 要素別予報「気象学ハンドブック」(気象学ハンドブック編集委員会編)からの抜粋です。〈工事中)   3. 英国政府の気象機関の The weather & how we forecast it.のページからの抜粋です。(最近見失いました)     4. 題名に「天気予報」と言う言葉の入った文献 



       1.「気象ポケットブック」(正野重方等編;共立出版;昭和44年 初版)からの       「予報則」の抜粋です。(mb表示はhPa と読み替えてください)     これまでに、学習してきた事項を検証し補強する観点から    ご参考にしてください。
    1  気団に関する予報則     2  前線の移動に関する予報則     3  前線の発生消滅に関する予報則     4  高低気圧の進行に関する予報則     5  高低気圧の発生消滅に関する予報則     6  気圧変動に関する予報則     7  運動学的解析にもとづく予報則(Petterssen)     8  層厚図による予報則      9  上層天気図による予報則  戻り
  1  気団に関する予報則
    1.気団が寒冷な地面上を移動するときは安定度が増大し,温暖な地面上を      移動するときは安定度が減少する.     2.気団が海上から陸上に移動するときは,その安定度は冬には増し夏には      減ずる. 陸上から海上に移動するときには逆になる,     3.地面の温度が変わらない場合には,気団の安定度は南から北に移動すれ      ば増大し,北から南に移動すれば減少する.     4.北極気団または寒帯気団は北から南に移動するにつれて厚さが減少する.     5.停滞性の大陸高気圧内の気団の安定度は, 日数の経過とともに秋と冬に      は増大し,春と夏には減少する.     6.高気圧が停滞して発達するときは,域内の沈降性逆転は強まり対流の      発生を妨げる.     7.気圧場の定常性が大きいほど流線は流跡に近づく.     8.気団は安定度が大きいほど地形の障害を迂回して水平に流れる傾向が強い.                    (Chromov:Einfuhrung)
  2  前線の移動に関する予報則  
    1.前線は寒気側の傾度風または摩擦層上の実測風の前線に直角な成分に      近い速度で移動する.     2.等圧線に平行な前線は負の気圧変化傾向の中心に向かってゆっくり      移動する.     3.前線はその前方の負の気圧変化傾向(温暖前線)または後方の正の気圧      変化傾向(寒冷前線)が大きいほど急速に移動する.     4.停滞前線は通常深い気圧の谷線と一致する.     5.高気圧域内では前線は停滞性となり消滅する.                          (Chromov:Einfuhrung)
  3  前線の発生消滅に関する予報則
    1.気流の変形場において,収縮軸が等温線と45゜以上の角をなすときは      前線が発生または発達し,45゜以下の角をなすときは消滅する.     2.西から東に流れる一般流の中の前線は,もし温度分布が正常(北が寒冷)      ならば特に持続性が強いが, 温度分布が異常 (北が温暖) ならば持続性は      弱い.     3.寒気が一般流の左側にあるときは下層の前線は強まるが,      右側にあるときは消滅する.     4.一般流に直角な前線は消滅しやすい.     5.前線は気圧の谷に近づけば発達し,これから遠ざかれば消滅する.     6.低気圧内では、温暖前線の北部と寒冷前線の南部が発達しやすく      温暖前線の南部と寒冷前線の北部は消滅しやすい(Petterssen)     7.移動の速い寒冷前線は消滅しやすい     8.寒冷前線は山脈に近づけば発達する.     9.山脈は一般に前線の移動を阻害する作用がある.                          (Chromov:Einfuhrung)
  4  高低気圧の進行に関する予報則
    1.進行速度の大きい安定な前線波動は前線にそって暖気流の方向に進む.     2.発生直後の低気圧は暖域内の等圧線の方向に,      閉塞した低気圧は最暖域内の等圧線の方向に進む.     3.低気圧は閉塞が完成すれば進路を左に転ずる傾向がある.      4.対流圏上部に達しない高低気圧は500 mb面の等高線の方向すなわち      指向流の方向に進行する.     5.安定な前線波動は低気圧よりも進行連度が大きい.     6.低気圧の進行速度は閉塞がおこるまでは増大し,閉塞が始まれば減少する      (低気圧は停滞性となる).     7.前線性低気圧の間にはさまれた高気圧は低気圧と同一方向に同一速度      で進行する.     8.低気圧が(寒気の吹出しにより)再生すれば進行速度が増す.     9.低気圧は,風が弱くて発散性であるような地域に向かって進む                       (Guilbert)     10. 低気圧は,その前方の地上風速が過大である場合には停滞性となり消滅       する(Guilbert)     11. 衰弱する低気圧は発達する低気圧よりも進行速度が遅い.     12. 低気圧域内に顕著な気温の極大域と極小域が存在するときは,       この低気圧は両者を結ぶ線に直角に進行する.     13. 低気圧は隣接する停滞性高気圧を,時計の針と同じ向きに       まわる傾向がある.     14. 強い低気圧の縁辺に発生した小低気圧は,前者を時計の針と逆向きに       まわる傾向がある.     15. 同程度の強さの低気圧は相互に時計の針と逆の向きにまわる.     16. 低気圧は広い高温域を右にみてその周囲をまわる.                     (Chromov:Einfuhrung) 
  5  高低気圧の発生消滅に関する予報則    ,
    1.低気圧は主前線上または十分に強くて長い閉塞前線上に発生する.     2.低気圧の閉塞点には2次的低気圧が発生することがある.     3.前線波動は波長が長いほど不安定で,1000km以下の波長の波は大きい      ほど安定である.     4.前線波動は,前線の両側の気団が不安定なほど不安定である・     5.前線波動は前面の傾角が大きいほど不安定である.     6.主前線上の気圧下降域は低気圧発生の第一の徴候となる.     7.低気圧は閉塞するまでは暖域が狭くなるに伴って発達する.      閉塞後は低気圧は衰弱する.     8.衰弱中の低気圧は新鮮な寒気が流入すれば再び発達する.      9.気団の不安定度が増せば低気圧は発達する.したがって冬の低気圧は      陸から海に出れば発達し,夏の低気圧は海から陸にはいれば発達する。     10・ 寒帯気団より成る一系列となった高気圧は南下するにつれて発達し,      同時に亜熱帯高気圧は衰弱する.     11. 気圧傾度に比し風の強い低気圧ほ消滅しやすく,逆に       気圧傾度に比し風の弱い低気圧は発達しやすい(Guilbert).     12. 低気圧の気圧降下が著しく,これに対して風が弱い場合には,低気圧は       大発達を遂げる可能性がある(Guilbert).                            (Chromov:Einfuhrung) 戻り
  6  気圧変動に関する予報則
   1.暖域から吹く風は気圧下降を,寒域から吹く風は気圧上昇をおこす.     等圧線と等温線が平行ならばその地域の気圧はあまり変化しない(Exner) .    2.風向が高度とともに右に転ずれば気圧は下降し,左に転ずれば気圧は     上昇する                        (Exner) .    3.上層風が地上の低圧部から吹き出す成分を有するときは気圧は下降し,     地上の高圧部から吹き出す成分を有するときは気圧は上昇する(Exner)    4.風向が高度とともに不変の場合には気圧はほとんど変わらない(Exner).    5.流線が気温の下降域から上昇域に向かって走るときは上昇域上で気圧     が上昇する.その逆も成り立つ(Defant).    6.過去24時間の降雨域は次の24時間には気圧上昇域となる.                        (Chromov: Einfuhrung)
  7  運動学的解析にもとづく予報則(Petterssen) 
   1.気圧の谷は気圧傾度の方向(気圧昇域から気圧降域に向う)に,     気圧の尾根はその逆方向に移動する.    2.気圧の谷または尾根の移動速度は,これらの前方左後方における気圧変     化傾向の差に比例し,気圧断面曲線の曲率に逆比例する.    3.気圧断面曲線の曲率が大きい気圧の谷や尾根はゆっくり移動するが,     断面曲線の曲率が小さいものの移動速度は広い範囲にわたって変化し,     主として気圧変化傾度による。    4.気圧断面曲線の曲率が大きい気圧の谷や尾根はかなり一定の速度で移動     するが,平坦な谷井尾根の移動は著しく加速または減速されることがある.    5.気圧の谷はその気圧変化断面曲線が次頁の図Aのようならば加速,B     のようならば減速される.気圧の尾根は気圧変化断面曲線がCのようならば     加速,Dのようならば減速される. 気圧変化断面曲線    6.円形の低気圧中心は気圧変傾度の方向に,高気圧中心は逆方向に進行する.     速度は気圧変化傾度に比例し気圧断面曲線の曲率に逆比例する.    7.低気圧中心は風速過小域に,高気圧中心は風速過大域に向かって進行する.    8.気圧断面曲線の曲率が大きい高低気圧中心はゆっくり動く。断面曲線の     曲率が小さいときは進行速度は気圧変化傾度いかんにより,     広い範囲にわたって変化する.    9.楕円形の低気圧中心の進行方向は長軸および中心を通る気圧変化傾度     の中間にあり,形が偏平であるほど長軸に近い.楕円形の高気圧につい     ても同様であるが進行方向はこれと反対である.    10.非常に偏平な形の高低気圧中心は一般に長軸の方向またはこれに近い     方向に進行する.    11.気圧のとうげはy軸に関し気圧変化傾度と対称の方向に進行する.    12.気圧断面線の曲率が大きい円形の高低気圧中はあまり加速されない。     ある方向に加速される中心は曲がった経路を描くことが多い.平坦な     気圧中心は非常に加速されることがある.    13.偏平な形の気圧中心は短軸の方向にはあまり加速されない,この種の     中心は通常直線経路を描く    14.低気圧中心は,もしそのx軸またはy軸にそう気圧変化断面曲線が上     図Aのようならxまたはy方向に加速され,Bのようなら減速される.高気圧     中心は,もしそのx軸またはy軸にそう気圧断面曲線がCのようならば     xまたはy方向に加速され,Dのようならば減速される.                  (Petterssen:Weather Analysis,1st edition)
  8  層厚図による予報則 (Sutcliffe-Forsdyke)
    図のC域には低気圧が,A域には高気圧が発達しやすい.     
  9  上層天気図による予報則 (Scherhag)   
   1 上層風の発散は,もし下層の収東で補償されないときは気圧降下をおこす.     上層風の収束は,もし接地気層の発散で補償されないときは気圧上昇を     おこす.    2 上層の発散場が地上の低気圧中心と一致する場合には低気圧は停滞する.     同様にして高気圧中心上で等高線の収束が極大である場合には高気圧     は移動しない.    3 前線帯の流出域(delta) では低気圧が発生しやすく流入域では低気圧     は消滅しやすい.    4 上層に気圧の尾根がある場所は次の24時間には地上気圧降下の中心     となりやすい.     上層に気圧の谷のある場所は次の24時間には地上気圧上昇の     中心となりやすい    5 上層の気圧の谷(尾根)が下方に延びて地表に達し,その際,     軸の傾きが大きくなければ,接地摩擦層内の気流の収束(発散)のため     気圧の上昇(下降)傾向が生ずる.   6 上層の気圧の尾根の側面で気圧傾度が増大すればその下では気圧が     下降する.上層の気圧の谷の側面で気圧傾度が増大すれば,     その下では気圧が上昇する.    7 気圧の尾根の側面に向う寒気の移流は尾根の下に気圧下降をおこす.     気圧の谷の側面に向う暖気の移流は谷の下に気圧上昇をおこす.    8 流出域および流入域を伴う前線帯の方向が地上気流の方向と一致す     る場合には気圧波の進行は上層気流の方向と速度に近くなる,     すなわち気圧波は急速に進行し,発達しないことが多い。    9 前線帯が別の前線の接近により部分的に強まり,その際,両前線の間     に地上気流系が生じない場合には,気圧下降域は前線帯の流出域の中を     比較的ゆっくり進行し,著しく強まる.   10 前線帯に対する暖気の供給が流出域では弱く流入域では強い場合には、     気圧波はもとの上層流から右の方に偏る.暖気の供給が流出域では強く,     流入域では弱い場合にも気圧波はやはり右の方に偏るが,気圧下降域は     弱まる.   11 強い気圧降下によって独立の上層低気圧が生じたときには,気圧下降域     は分裂する傾向がある.この際,急速に衰弱する部分はもとの下降域     の進行方向の左に,強い部分はその右に偏る.                 (Scherhag:Wetteranalyse u. Wetterprognose) 戻り



戻り    2.要素別予報「気象学ハンドブック」      P.707〜P.712(気象学ハンドブック編集委員会編)から抜粋予定です。      目下、工事中です。(as of 2000-1/25)         (気象要素は、数値予報から算出されているので、一見不要かとも思えますが、         考え方、見方、或いは、数値予報の結果を補完する/気象庁の予報に対し         気象予報士としての味付けをするときなど 、参考になるか         と思いここに一部抜粋し、転載させて頂きます)        気温の予想        湿度の予想        視程の予想        雲の予想        雨の予想        雪の予想        霧の予想        霜の予想        雷雨およびにわか雨の予想        上層風の予想        地上風の予想 戻り


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   3. 英国政府の気象機関(The Met.Office)の
The Met.Office Home Pageにおいて、
The weather & how we forecast it.のページに、
・ Introduction
・ Observations
・ Analysis
・ Forecast
が掲載されています。 最近掲載箇所が変わった??
  4.文献
 「天気予報」と言う文字の入った書名をもつ気象関係の書籍を参考のため掲載しておきます。  
  (ここに掲載しましたものは、筆者が所有しているもののみです)
 
                             発行年月順

    「ラジオによる 素人天気予報術」       中村             昭和 6年 6月
    「天気図と天気予報」                大谷             昭和17年 9月
    「天気予報論」                      伊藤・久米        昭和34年 6月
    「天気予報 理論と実際」             高橋             1977  年 8月
    「天気予報の話」                    内田             昭和60年 5月
  「天気予報の裏を読む」       幣        1992  年 8月
  「天気予報はどこまで正確にできるか」岡村             1993  年 4月
    「天気予報の技術」                  新田・立平・市橋 1994  年 8月
    「新・天気予報の手引き」            安斎             平成 6年 8月
    「天気予報の知識と技術」            古川             平成10年12月
  
   もちろん、上記以外に「天気予報」に関する文献は多数ありますが、
    「天気予報」と言う文字をタイトルに入れたものは、以外と少ない様です。
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