天気図解析 
等圧線 前線 トラフ(気圧の谷) リッジ(気圧の尾根) 強風軸 層厚を作図し、
大気の立体的な構造を広範囲に把握し、予想の基礎資料とする。
なお、形だけでなく、風向・風速、気圧、気温、湿度(水蒸気量)と言った気象要素の
相互関係も簡単な手計算で、確認すると良い。

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Last updated 2003-7/07, 9/09, 9/11, 10/21, 11/03, 2005-10/03

与えられた「プロット図」から、等圧線や前線を解析することは、専門家や経験者の 腕の見せ所でもあるようだ。私のような素人には難しい世界だ。出来れば、その原因 を探りたい。また、理論的に話できることと、経験による部分とに切り分けて話が 出来れば、少しは作図に自信を持てるようになれるかもしれない。 先ずは、知識として知っていることや創作したものをまとめてみよう。 (書き出しておこう。)
大気構造のモデル: 大気の構造は、定型的なものが多いです。 私が使っているモデルです。  
等圧線: 「等圧線」とは、一言で言うならば、大気の力の分布を示すようなものだ。 その分布とは、自分の勢力範囲を示すようなものである。 等圧線を描くときには、最大値、最小値をクイックに探し、鉛筆で囲んでおく。 最大値・最小値の直近の 4hPa 線は何かを決定し、閉曲線で囲んでみる。 (最大値、最小値があるはずだから、必ず閉曲線が存在する。 但し、必ずしも4の倍数とはかぎらないので、直近の1か又は2hPaの倍数の気圧で 囲んでみることもtryしてみるべきだ) 風向が示されている場合は、極力風向に平行になるように引く。 高気圧帯の中に、低圧部が出来たり、台風が進入してくると、そこは、閉曲線となる。 低気圧帯の中に、高圧部が出来ると、そこは、閉曲線となる。 異なる性質の大気塊はどれとどれかを、最初に識別する。(最大値、最小値を目安とする) HとHの間には、必ず2本の同じ値の等圧線を必要とする。 その中間部分は、鞍部となっているはずだ。 LとLの間には、必ず2本の同じ値の等圧線を必要とする。 その中間部分は、峠となっているはずだ。 4hPaでひいてみて、大体の様子が把握できたら、次は2hpaで引いてみると良い。 部分的、局地的な現象(H又はL)がそこに浮き彫りにされる場合がある。
前線: 「前線」とは、一言で言うなら、大気と大気の勢力の衝突の軍事境界線みたいなものだ。 そこでは、たいてい、イザコザ(渦、上昇気流、雨、風)が発生するものだ。 寒気団、暖気団の境界付近の風向きの逆転・合流、 または、気温の急変、又は湿度・露点の急変地帯を発見する。 梅雨前線は、地上の低気圧を連ねる、降水域を連ねると良い。 寒冷前線は、これも降水域や、対流雲域に沿わせるとよい。 寒気の北西からの流入も参考になる。 850hPaの等相温位線の集中帯の形状に留意すると、閉塞点を発見できる ことがあるそうだ。 850hPaの等相温位線の集中帯の暖気側の先に地上の前線の可能性がある。 前線の形成は、総観規模〜局地的な規模まで、 気流対気流、気流対山岳、気流対陸地、下降気流の吹きだし対地上の 既存勢力の暖気団等様々のところに出来る。 地表付近で気流が衝突して、シアーラインが形成される。 これは、局地的な前線のようなものであろう。傾圧波動による低気圧に伴って 出来るものとは違います。
トラフ(気圧の谷): 「トラフ」とは、上空における低気圧部分であると同時に、 下層の低気圧の真上に来ると、地上低気圧を最大限に発達させるものだ。 500hPa等高線の曲率の最も大きい(急な)ところを結ぶ。 渦度最大値を結ぶ。 上記2つのうち紛らわしいときは、曲率の大きいほうを選ぶとよさそうである。 地上の低気圧の発達や最盛期等に密接に関連し、いつも話題になる。 偏西風蛇行から切り離されて、切離低気圧の原因となることがある。
リッジ(気圧の尾根): 「リッジ」は、余り問題にならないのが特徴である。 しかし、リッジが無ければ、トラフも無いのである。 500hPa等高線の曲率の凸部分なところを結ぶ。 渦度最小値を結ぶ。 地上の高気圧に対応する。 偏西風蛇行から切り離されて、ブロッキング高気圧の原因となることがある。
強風軸: 「強風軸」とは、「ジェット気流」のことだと思っています。 300、500hPaにおいて、ほぼ等高度線にそって、大きい風速のところを連ねる。 通常、南北に2本解析される。 等高度線の曲率の大きいところ(カーブのきついところ)では、等高度線からはずれて、 強風軸が描かれることもある。 ジェット気流は、圏界面の下方の他の圏界面との境界付近に出来るようです。 気圧傾度、温度傾度の非常に大きなところに出来ます。 地上の前線と対応するとのことの様であるが、その関連性は私にはわかりません。
層厚: 「層厚」とは、「2つの等圧面の高度差」をいいます。 この層厚の分布を(高度の)等値線でむすんで出来た線図を層厚図といいます。 普通は、500hPa等圧面と、1000hPa等圧面の間の気層の高さの分布を示します。 山谷の高低が現われてくるので、高気圧、低気圧の存在がそこに示される。 温度風の関係を利用すれば、例えば、下層の風や気温から上層の風や気温を 推定することが数式を介して算出・推定可能です。逆も可です。 温度風の関係は、静水圧平衡及び地衡風平衡を前提としますので、 激しい対流活動の時には使えません。
流線図: 「流線図」は、気圧の谷の発見、収束・発散のポイントの発見、 さらには、上昇流、下降流のポイントの発見に利用できます。 連続図: 「連続図」は、気温、気圧、気圧の谷、低気圧の中心位置を 東西方向に数日に亘ってプロットし、全体的な変化、移動の状況を 把握し、将来の予想に使おうとするためのものです。 その他の等値線等(等風速線、等温線、逆転層、圏界面、、) 物理量の分布を解析し、大気の状態をよりよく把握し、天気の予想に つなげることになります。 さらには、変圧風、非地衡風の知識も活用できると、 よりよい気象の解析が出来るでしょう。

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